装幀に屈託あり(3) 安部 公房『壁』 ― 2011/10/01 16:45
それは安部公房の初期の小説集であった。手にとってみたのは初めて、最近とある古書展で無造作に棚差しされたいた。価格は推して知るべし。
最近、戦後作家の単行本は神田辺りでは、ほとんど均一本で投げ売りされているから、こんなことは当たり前なのだろう。
一時期は十万円以上した珍しい本なのに、この体たらくである。小口などの焼けは経年で仕方がないが、元パラフィンが残っていたお陰で、表紙回りはきれいだったので購入した。
装幀は安部公房の友人であった、勅使河原宏。幅の広い帯が付いているので、バランスがいいが、帯をとってしまうと如何なものか。間が抜けてしまう感も否めなかった。
† 壁
安部 公房/著 勅使河原 宏/装幀 桂川 寛/挿画
月曜書房●昭和26年5月28日発売
●B6判・248頁 200円
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