カバー本の装幀も捨てがたい雄鶏ミステリーです ― 2015/02/09 09:55
雄鶏ミステリーといえば野口久光の映画ポスター風のイラストの表紙をすぐ思い浮かべるが、これとは別に薄い紙の共通デザインのカバーで包んだボール紙装本も同氏の装幀で出ている。
各巻を違ったイラストで飾るソフトカバー本のほうが人気があるようだが、共通カバーも捨て難いのでスキャンしてみた。このシリーズで全巻カバー本もあるのでしょうか?
今は音沙汰のない芳林文庫の目録『探偵趣味』を見ても分からなかった。
† 或る男の首
ジョルジュ・シムノン/著 永戸 俊雄/訳
野口久光/装幀
雄鶏社●ondori MYSTERIES
昭和25年5月25日初版発行●B6判 241頁 160円
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『戀の紋章』の装幀者、中田敏夫さんって、どんな方? ― 2015/02/01 18:16
見ての通り、実に面白い表紙である。しかし、この装幀者のことが皆目分からない。
その昔、英米文学の古書価ばなぜか高く、中でもロレンスものは突出がいた。この本もその例で、当時七、八千円はしていて、私は買えなかったのを覚えている。
今から八十年も前に出た本にしては実にきれい。「狐」という題名の作品が掲載されているので、狐が描かれているわけで、それがどうだと詰め寄られても困るが。眺めているだけでも、手元に置いておく価値はある。
これも古書価下落のお陰である。
† 戀の紋章
D.H.ロレンス/著●宮西 豊逸/訳
中田敏夫/装幀
牛山堂●
昭和10年12月10日初版発行●四六判 315頁
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なぜか河出メグレシリーズにチグハグ本? ― 2015/01/17 09:25
メグレファンに大歓迎された河出の「メグレ警視シリーズ」が完結してから数年後、その新装版が順次出版された。
初版のビニールカバーには難点があった。どうしても経年で縮んでしまい薄い表紙が撓んでくるのだ。その解消ばかりではないだろうか、新装版はビニールカバーはなくなって、本体表紙と同じイラストが印刷されたカバーで装本されるようになった。
数年前何気なしに、古本屋でその新装版の一冊を手に取ったら、表紙はどうも見かけないイラストだった。カバーを剥がしてみると、表紙は全然別の絵だった。その絵は初版と同様の馬車が描かれたもの。なぜ、別のイラストで新装版カバーを作らなければいけなかったのだろう。不可思議だ。
調べてみると、全五十巻のうち、三冊だけこのようなものがあった。そのうちの一冊、『メグレの初捜査』の新しいイラストはモンマルトルのモン・スニ通りの『ミミ・パンソンの家』のところが描かれていた。この辺りはユトリロが何度も描いていて、パリ旅行の団体客なら一度は案内される観光スポットである。メグレ好きでなくても楽しいし、歩いてみて損はしないと思う。
† 新装版『メグレの初捜査』
ジョルジュ・シムノン/著 萩野弘巳/訳
水野良太郎/装幀
河出書房新社●
●昭和58年8月25日発行●新書判 (113×175ミリ)カバー 269頁 680円
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記念碑的本に、「ストリップ・ティーズ」が未掲載! で残念。 ― 2014/12/29 19:23
行きつけの飲み屋ならぬ行きつけの図書館の新着図書の展示棚に『宇野亞喜良クロニクル』があった。でかくて、重い本であった。どんな内容なのか気になったので借り出した。
家に帰り、ざっと目を通すと、何か肝心なものが足りない気がした。シムノン選集はあったが、そのうちの五作品が文庫化され、それも宇野亞喜良氏が表紙を描いている。文庫は全点ない。よく見ると選集のほうも、十二作品あるのに、バリエーションも含めて七点しか掲載されていなかった。
まあ、文庫の装幀はシムノン物ばかりでなく、数があり過ぎて、みんな掲載はできないのだろうが…、残念。
† ストリップ・ティーズ (シムノン選集2)
ジョルジュ・シムノン/著 大久保和郎/訳
宇野亜喜良/装幀
集英社●
昭和44年8月25日初版発行●四六判 221頁 520円
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これも河内 紀さん。前回と全く違う? 『赤毛のレッドメーン家』。いかが ! ― 2014/09/15 07:38
発行は「黄色い犬」より前だが、同じ年の装幀作品である。とても同一人物の作品とは思えない。作品を読んでないので、このカバー絵が適切かどうかは判断のしょうもないが、奇妙奇天烈、この特異な絵に拍手したい。もっと別の文庫装幀を見てみたいものである。
† 赤毛のレッドメーン家
イーデン・フィルポッツ/著 ●赤 冬子/訳
河内 紀/装幀
角川文庫●
●昭和38年5月10日発行●文庫判・カバー 379頁160円
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