衣裳デザインの挿画が圧巻、花柳章太郎「きもの」 ― 2014/01/16 11:19
私の狭い体験なので、断定は出来ないが、最近の古本市の古書の状態の悪さが目立ったきた。古書の値下がりが関係しているのだろうか。
そんな印象の中で、珍しく美本に出会えた。花柳章太郎の自装本「きもの」である。有名なイラストレーターも装幀本の傑作と言っているそうだが、手に取って実際に見ることが出来て納得できた。
箱もあまり擦れてなく、元パラフィンがついていたせいか、本体の背も焼けていなかった。出版から七十年以上たった本とはとても思えない良い状態なので、迷わず購入した。
† きもの
花柳 章太郎/著 装幀・構成/著者自身
箱張/鏑木清方 表紙/苅谷鷺行 見返し/鏑木清方 扉/小村雪岱 三色版(装画)/伊東深水 題字/川口松太郎
二見書房●
●昭和16年11月10日発行●B6判・箱 313頁 3円
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伊丹十三の自装本「ヨーロッパ退屈日記」 ― 2013/12/06 07:19
昔の東京オリンピックの翌年出た本。彼がまだ役者だった頃のものである。カバー裏に山口瞳による伊丹十三論がある。氏は伊丹十三と、彼が十九の頃から付き合いがあったそうだ。
今となって、この人物評を読むと、自死を選択してしまうその後を思わせるものがあって、山口瞳のある種の鋭さにびっくりしてした。
表紙のコラージュはご本人による。本文に挿入されている著者自身による挿絵もたくさんあって楽しい本であるので、今にして思えば余計悲しい。再婚した宮本信子さんの若き日の名古屋栄の地下街を舞台にしたNHKのドラマが思い出された。
彼女も初々しく、瞳さんが十三に会った一九歳ぐらいではなかったろうか。気分はちょっとセンチメンタル。この本を少し読み直してみよう。
† ヨーロッパ退屈日記
伊丹 十三/著
伊丹 十三/装幀&カット
文藝春秋●ポケット文春550
●1965年3月20日初版 1971年5月20日八刷発行●新書判(112×174ミリ)・カバー 258頁 300円
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自著自装本(2)またまた、高峰秀子の本「まいまいつぶろ」 ― 2012/08/16 10:25
デコちゃんこと高峰秀子はよくよく本作りが好きだったのだろう。この二冊目の著書も自装本である。
前作のコンセプトを踏襲して、立派な作りの本で、出来映えも文句のつけようもない。版元も同じである。
「まいまいつぶろ」とは、かたつむりのことらしい。この本で初めて知った。
ところで、彼女、エスカルゴを渡仏の際、食べたのだろうか、さあ思い出すことが出来ない。久しぶりに『巴里ひとりある記』を読み直すとするか。
† まいまいつぶろ
高峰秀子/著
装幀・画/高峰秀子
映画世界社●
●昭和30年6月1日発行●A5判変型(146×190ミリ) 箱 165頁 380円
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雑司が谷タイム・スリップ その1 ― 2012/06/27 10:34
「復讐するは我にあり」の福寿荘 東京都豊島馬区雑司が谷
†ここで殺人があった
今ではすっかり様変わりをしてしまった東京・池袋の南、鬼子母神周辺だが、私が小さい頃は都電停留所から明治通りにかけて、賑やかな商店街があった。
高田本町二丁目。そう、町名変更でなくなってしまったのだ、鬼子母神とその商店街をはさんで明治通りまでは、そう呼ばれていた。その商店街の中ほどに、鬼子母神の電停から行くと右手に古色豊かなアパート福寿荘があった。中廊下を抜けるとけやき並木の鬼子母神への参道へ出られた。
高田本町があったころの餓鬼どもは通り抜け禁止の張り紙を無視して、よく走り通ったものだ。
ここでの映画の撮影は別室らしいが、西口はここに住む老弁護士を殺した。今はそんなことも知らぬげに小さいマンションになっている。
ちなみに電停近くの肉屋もロケ地になった。あれから三十年以上たったがその店も親爺も健在である(撮影された店はない)。
広告の中のアイドル(17)小柳るみ子 ― 2011/08/10 08:32

† 今、スピード感のあるひとは美しい 「小柳るみ子」
「瀬戸の花嫁」から四十年経ちました。テレビであまり見かけなくなって、ちょっと寂しいですが、このアイス・ホッケーのコスプレで、節電の夏を乗り切りましょう。
このスピード感で政治を!
★ヤクルト・ジョア/雑誌広告★掲載誌名・発行年不詳★
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