何ともアッサリ ! 永井荷風の自装本、『来訪者』2016/10/05 16:23

永井 荷風/自装

 今からちょうど七〇年前、敗戦の翌年に出た本である。焼け野原の東京にいて、さすが文豪だけのことはある。立派な箱入りの本を出している。えらいことである。荷風に自装本があったとは、これまで知らなかった。

 箱から本体を取り出すと、何とも簡略な表紙で拍子抜けするが、著者自らの装幀だから、好き好きで、これはこれでいいのだろう。


† 来訪者


 永井 荷風/著   

 永井 荷風/自装

 筑摩書房●

 昭和21年9月5日第一刷発行●A5判 箱入 377頁 65円  


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麻生三郎の装幀本、椎名麟三『赤い孤獨者』2014/11/25 20:27

麻生三郎/装幀

 きれいな本だった。椎名麟三の本だった。開場から四、五十分あまりたった古書展の片隅に残っていた。もちろん買った。この幸運を喜んで。

 調べてみると、麻生三郎の「装幀・挿絵展」が今、鎌倉でが開かれている。来年の一月までだから、たぶん見に行くことは出来るだろう。たぶん、この本の原画が見られるだろう。気がせいて来た。

 この本を偶然、古書展で手にとったお陰で、展覧会の開催中を知ることが出来た。うれしかった。またこの幸運を喜んだ。


† 赤い孤獨者


 椎名麟三/著

 麻生三郎/装幀

 河出書房●

 ●昭和26年4月15日発行●B6判・カバー 285頁 200円


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原弘の装幀本。アメリカに原爆が墜ちる戯曲? これって上演されたの?2014/10/09 08:27

原 弘/装幀

大東亜戦争前に、日本でも大いに流行ったアプトン・シンクレアの戦後の珍本です。デトロイトやシカゴで原子雲が……といったニュースがラジオから流れてくるお話なんです。

かの吉田健一がいち早くジョージ・オーエルの『1984年』を引き合いに出して、翻訳出版の翌年、毎日新聞が出していた『毎日情報』で紹介をしています。

こんな驚くべき本の装幀をかの原弘先生がやっていたとは知りませんでした。それよりこんな本を買っていたなんて、知らなかったなあ。本当にびっくりしました。本の整理はたまにはするもんです。


† 世界の末日


 アプトン・シンクレア/著●並河 亮/訳 

 原 弘/装幀

 中央公論社●

 ●昭和25年8月5日発行●B6判 139頁 140円

 総司令部許可番号 073・07-307●  


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桂ゆきの装幀本(2)これも『ある寓話』展に未出品2014/09/28 12:49

桂 ユキ子/装幀

発行は昭和二十九年。こうしてスキャンしてみると、その頃の作者の画風とは違ってみえる。昨年(2013 年)の回顧展を思い出して、ちょっと戸惑うが、前の「女の兵舎」の流れで描いたのだろう。

どういうわけか昨年の現代美術館に並んでいなかった。偶然出会った本だか、かわじもとたか氏の労作『装丁家で探す本』を読んでいなかったら、買えなかった本だった。


† 女の中隊


 ナンシー・モルガン/著 大庭さち子/訳

 桂 ユキ子/装幀

 鱒書房●

 ●昭和29年12月15日 4版発行●B6判(125×180ミリ) 317頁 定価奥付に未記載?


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没後出版、岸田 劉生『美の本體』の苦肉の策?2014/08/15 17:04

まさしく劉生、初版は箱であった?

この本の初版は昭和十六年の五月。劉生である。十一版だから、戦争中でもよく売れたらしい。もちろん、著者の没後の出版だから、劉生先生ご本人は関与していない。

しかし装幀はまさしく「劉生調」そのもの。カバーはどこかで見たような気がして仕方ないので、その昔出た「岸田劉生装幀画集」を取り寄せ閲覧した。

貴重な本なので、貸し出しは駄目で、図書館内だけの閲覧である。全部で62点の装幀作品が掲載されていた。

掲載した『美の本體』のカバーはその48番目の佐藤春夫の『我が一九二二年詩集』の表紙と同じ絵柄であった。木版であるから、摺の加減か微妙に違っているが、もしかしたら、通勢先生が題辞をはめ込む時についでに模写したのかしら?、委細は分からない。

ちなみに本体の装幀は「岸田劉生装幀画集」の最後、62番目に掲載されていた『木下利玄全歌集』のそっくりさんでした。

 ※この本の昭和17年頃までの重版は函入りであった。絵柄はカバーと同じ。2014年9月6日


† 美の本體


 岸田 劉生 /著 武者小路 実篤/序

 岸田 劉生/装画 河野通勢/題簽

 河出書房◎

 ★昭和18年10月20日11版印刷発行★B6判・カバー 323頁 2円30銭+特別行為税相当額30銭合計 2円37銭


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