装幀に屈託あり(5)東郷青児の仕事 その貳2011/10/09 08:44

「水の子」東郷青児・挿絵

この「水の子」には別刷りで八点の挿絵がある。いずれも状態が良い。

昭和22年、敗戦の翌年の歳末に発行された本と考えると、大した出版であると思う。

訳者の阿部知二氏も本書のはしがきで、前に二度この翻訳本が発悦されたが、今回一番りっぱな本になるだろうと書いている。

掲載した挿絵は第五章の始めにある。主人公トムと魚たちとの戯れが楽しく描かれている。


†水の子


 キングスレイ/著 阿部知二/訳 東郷青児/装幀・挿画

 国立書院●昭和22年12月25日発行

 ●B6判・286頁 120円


↓角川文庫の翻訳文学はこちらへ/

http://www.k5.dion.ne.jp/~miauler3/kado/kado00.html


シムノンのメグレ本の書誌についてはこちらへ/

http://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/