辻静雄の本2011/06/05 08:51

 辻静雄先生が「ソースの本」に続いて書いたフランス料理の本。先生は意欲的に一生懸命書いたのだが、さっぱり売れなかったらしく、相当落ち込んで、もう料理書は出すまいと決意したという。

 後年、先生の信奉者であるピアニストの中村紘子さんはこの本の改訂版の新潮文庫「家庭のフランス料理」の解説で、

「何度やっても、あのままじゃ作れないものがでてきて。いや、まいった」と、

先生自ら元版の不備を正直に告白したことを暴露しております。


たのしいフランス料理

辻 静雄 著

婦人画報社 昭和42年11月1日 発行

A5判 184頁 カバー 780円


家庭のフランス料理

辻 静雄 著

新潮文庫 昭和60年5月25日 発行

A6判 286頁 カバー 600円

パリの本(3)アレキサンダー・ワット 著「パリ食べあるき50店」2011/06/04 06:51

 柴田書店から出た、辻静雄先生の最初の『パリの居酒屋(びすとろ)』の種本の翻訳書です。

 先生はパリで、この食べ歩きの名人ワット氏にお会いになったそうで、原書は英語、世界で十数カ国語に翻訳されたということです。

 先生は仏訳でお読みになって全店行ってみたらしく、ワット本掲載の五〇店のうち三一店(彼の舌にかなった?)を採用しています。

 ちなみに後年の新潮文庫版をみると、再度掲載された店は十八に減っていました。  


パリ食べあるき50店

アレキサンダー・ワット 著/唯 松太郎(ゆい まつたろう) 訳

中央企画社 昭和46年11月15日 発行

B6判 406頁 紹介店所在地記載パリ地図付