岡本太郎・一平父子の羨ましい競演!2015/03/19 09:20

装幀/一平画・太郎・案

父子鷹の典型的例だろう。親父が表紙を描き、扉とさし絵を息子が描いている。一見あまりパッとしないが、じっくり手に取り、眺めると親子の絵は味わい深いものがある。なのに太郎美術館のHPに、この本がないのは何とも不思議である。

たまたま神田の店先で、この本を手に入れて、調べてみたら、別に高価でもなく、数千円で美本が簡単に手に入る本なのだから。本の装幀が一段軽く見られているようで、ちょっと残念である。


† 女體開顯


 岡本かの子/著  

 表紙装幀/一平画・太郎・案  扉&さし絵 少女スケッチ/太郎

 中央公論社●

 昭和18年6月20日初版発行●B6判 609頁 3円80銭  


↓源義&春樹さんの角川文庫・翻訳文学はこちらへ/

http://www.k5.dion.ne.jp/~miauler3/kado/kado00.html


シムノンのメグレ本の装幀についてはこちらへ/

http://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/


装幀に屈託あり(31)これが岡本太郎の仕事?林房雄『香妃の妹』2013/04/04 07:59

岡本太郎/装幀

終戦翌年の年の暮れ発行の仙花紙本だった。混み合う即売会で、理不尽な書痴たちに揉みくちゃにされながら、手にとった。

歳月の割には保存良好。蝶々の絵は誰?と頁を開くと、岡本太郎とあった。

先生らしくない装幀である。が、太郎となっているのだからと買うには買ったが、スキャンしても、らしくないものはらしくないので、直らなかった(アタリマエ)。

何か蝶々に屈託があったのだろうか? 太郎先生の美術館は装幀に対して冷たいから、困った末のこんな酔狂もいいだろう。


† 香妃の妹


 林 房雄/著 岡本太郎/装幀

 後藤書店●昭和21年12月15日発行

 ●B6判 266頁 20円


花田清輝の本 石元泰博&岡本太郎の共演!「大衆のエネルギー」2012/08/22 07:20

石元泰博/写真撮影 岡本太郎/カバー構成

私にとってもう少し生きていてほしかった人が二人いる。辻静雄と花田清輝である。

辻先生は六十、花田先生は六十五。共に早過ぎる年齢で、残念でならない。

私はとっくにご両人の亡くなられた年齢を越えてしまって、ただ老いの身をかこつのみ。

共に書物を通じてだけの出会いに過ぎなかったが、同時代を共に生きられ、その才能の一端に触れられたのをありがたく思っている。

この本は戦後の文学論争の盛んなころ出た傑作。花田、岡本、石元の揃い踏みは実に豪華、こんな出会いは滅多にお目にかかれまい。


† 大衆のエネルギー


 花田清輝/著

 石元泰博/写真撮影 岡本太郎/カバー構成

 講談社●

 ●昭和32年12月10日発行●四六判(128×188ミリ)・カバー 260頁 280円

装幀アットランダム(9)再び花田清輝で、「近代の超克」2012/02/20 08:53

表紙画/岡本太郎

花田清輝の戦後芸術運動の盟友、岡本太郎の絵を表紙に使った本である。

岡本太郎は『夜の会』の縁で、自分の絵を提供したのだと思う。

昭和も遠くなりにけり。ご両人とも鬼籍の人となった今、二人の交流や戦後芸術運動を偲ばせてくれる、貴重な本である。


† 近代の超克 


 花田清輝/著

 表紙画/岡本太郎

 未来社●

 ●1959年12月31日発行●四六判 上製 285頁 350円

パリの本(5)岡本太郎の装幀が絶品「巴里祭」2011/06/08 08:24

 エッフェル塔を描いて秀逸。昔、ビル・アケム橋を渡る地下鉄から見たライト・アップされた姿も感動的だったが、この絵も素晴らしい。

 岡本太郎の母親、岡本かの子の本です。初版は著者生前に出ていますが、箱入でした(川崎市岡本太郎美術館HPによる)。

 また、昭和13年ですと、息子の太郎もまだ在仏のはずですから、再版でこの太郎装幀の軽装本になったと推察しています。


† 巴里祭

岡本 かの子(おかもと かのこ) 著

青木書店 昭和13年11月25日 発行 昭和16年3月20日 再版

四六判(127×188ミリ) 410頁 装幀/岡本太郎