つれづれに古本屋めぐりを楽しんで、四十年あまり、その間についつい買ってしまった本がたまりにたまり、そんな蒐書のおかげもあって、長い時間はかかりましたが、角川文庫の翻訳文学の書誌とシムノンのメグレ物の翻訳書誌(http://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/)のH.P.の開設にたどり着くことができました。 しかし、わが家の雑書のおびただしい散乱を見るにつけ、何とかしなくてはと焦り、自分の年齢を考えるにつけ、本の仕末をつける時間はもうわずかと思うようになりました。 そうはいっても、折角時間をかけて蒐書した本をすぐに売却処分はちょっと悲しい。何とか本のデータぐらいはまとめてからとは思うものの、これからまた新たな書誌のH.P.作成にかかるのはちょっとシンドイ話(なにしろタグをいちいち書いて行く)です。 そこで雑書の山の中から、これはという本を見つけ、その紹介をアサブロで済ませてから処分して、少しずつ少しずつ家中をすっきりさせることにしました。 そのようなわけですので、このアサブロではそれぞれの本の詳しい内容の紹介はしません。昔はこんな本もありましたと、書誌データと書影を掲載するだけですが、ご興味を持たれた本があれば、探求のご参考にお役だてお使いください。
この本を買ったのはかの吉田先生の装幀本だったからである。八十年以上も前の戯曲集で、内容は興味津々、時間があったら読みたいがまだ読んでない。
背と裏表紙まで一続きの絵になっている構成で、この頃の画風はとぼけた元祖ヘタウマ派のおもむきがあって面白い。
以前、吉田謙吉の最高のクラスの仕事であると紹介した火野葦平の『小説欧羅巴』に比肩し得る仕事と思う。
金子洋文/著 吉田謙吉/装幀
平凡社●昭和4年12月10日発行
●四六判・箱はあるはずだが、欠 412頁 1円30銭
by ミックノキモチ [本] [古本] [コレクション] [デザイナー] [吉田謙吉] [芝居] [装幀] [コメント(0)|トラックバック(0)]
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