中井幸一の装幀(2)『リスとアメリカ人』 ― 2014/01/03 18:59
昨年、またまた古書展で、中井先生の装幀本を見つけてしまった。有馬頼義の傑作『リスとアメリカ人』が彼の手になるものだったとは!。知らなかった。ムダ足になっても古本市には通うもの。
本体、箱に留まらず、扉、目次ページも計算された配慮が感じられ、昔はこういう丁寧な仕事があったのだ。名作は名装幀を呼ぶ。2014年劈頭に紹介出来るのがうれしい。
† リスとアメリカ人
有馬頼義/著
装幀/中井 幸一●題字/直木 久蓉
講談社●
●昭和34年8月20日発行●四六判 127×188ミリ 300頁 290円
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衣裳デザインの挿画が圧巻、花柳章太郎「きもの」 ― 2014/01/16 11:19
私の狭い体験なので、断定は出来ないが、最近の古本市の古書の状態の悪さが目立ったきた。古書の値下がりが関係しているのだろうか。
そんな印象の中で、珍しく美本に出会えた。花柳章太郎の自装本「きもの」である。有名なイラストレーターも装幀本の傑作と言っているそうだが、手に取って実際に見ることが出来て納得できた。
箱もあまり擦れてなく、元パラフィンがついていたせいか、本体の背も焼けていなかった。出版から七十年以上たった本とはとても思えない良い状態なので、迷わず購入した。
† きもの
花柳 章太郎/著 装幀・構成/著者自身
箱張/鏑木清方 表紙/苅谷鷺行 見返し/鏑木清方 扉/小村雪岱 三色版(装画)/伊東深水 題字/川口松太郎
二見書房●
●昭和16年11月10日発行●B6判・箱 313頁 3円
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ポケミス装幀の傑作!浜田稔の「殴られたブロンド」 ― 2014/01/23 11:13
![浜田 稔/装幀 浜田 稔/装幀](http://buraburaaruki.asablo.jp/blog/img/2014/01/23/2f2ae1.jpg)
もう随分たったがポケミスの装幀が変わった。そのほとんどの装幀を描き続けてきた勝呂 忠氏の死去に伴い仕方ないが、このリニューアル、なかなか馴染めないものがある。
ポケミスの表紙は当初はこの浜田氏も含めて何人かの画家さんが描いていた。勝呂氏も最初から抽象画であったわけではない。具象画も時々古本屋で見かけることができる。
新刊書店でポケミスの棚を見たら、1700番台ぐらいはまだ、勝呂忠だった。それにしても凄い発行点数である。
そのすべての装幀画を見たわけではないので、断定はしないが、この「殴られた眼の隈のある顔」を大写しにした浜田稔の手際は見事なもので、ベスト・テンには入る作品だろう。
† 殴られたブロンド
E・S・ガードナー/著 砧 一郎/訳
浜田 稔/装幀
早川書房●ポケミス(180)
●昭和33年4月15日4版 発行●234頁 160円
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