石岡怜子の装幀、角川文庫「Zの悲劇」2013/12/02 09:03

石岡 怜子/装幀

姉妹揃ってデザイナーである。お姉さんの瑛子先生同様、妹さんの怜子氏も装幀の仕事をしている。この大胆に英文字をを使った作品は角川文庫でも出色。言うならば、読まずに眺める文庫である。

が、しかし、このクイーンシリーズ、カバー袖の案内によると、全部で十四作品あるが、なにしろロングセラーなので、重版の際、時々思いついたようにデザイナーやイラストレーターを替えて、新しい装幀にしている。

私の昔、一度はその全点の蒐集を目指したこともあったが、途中で挫折した。今となってはその全容を知ることは至難の業と思う。


† Zの悲劇


 エラリー・クイーン/著 田村隆一/訳

 石岡 怜子/装幀

 角川文庫●

 ●昭和40年5月30日初版 昭和51年4月30日十八版発行●文庫判・カバー 367頁 300円  


↓源義&春樹さんの角川文庫・翻訳文学はこちらへ/

http://www.k5.dion.ne.jp/~miauler3/kado/kado00.html


シムノンのメグレ本の装幀についてはこちらへ/

http://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/


伊丹十三の自装本「ヨーロッパ退屈日記」2013/12/06 07:19

伊丹 十三/装幀&カット

昔の東京オリンピックの翌年出た本。彼がまだ役者だった頃のものである。カバー裏に山口瞳による伊丹十三論がある。氏は伊丹十三と、彼が十九の頃から付き合いがあったそうだ。

今となって、この人物評を読むと、自死を選択してしまうその後を思わせるものがあって、山口瞳のある種の鋭さにびっくりしてした。

表紙のコラージュはご本人による。本文に挿入されている著者自身による挿絵もたくさんあって楽しい本であるので、今にして思えば余計悲しい。再婚した宮本信子さんの若き日の名古屋栄の地下街を舞台にしたNHKのドラマが思い出された。

彼女も初々しく、瞳さんが十三に会った一九歳ぐらいではなかったろうか。気分はちょっとセンチメンタル。この本を少し読み直してみよう。


† ヨーロッパ退屈日記


 伊丹 十三/著 

 伊丹 十三/装幀&カット

 文藝春秋●ポケット文春550

 ●1965年3月20日初版 1971年5月20日八刷発行●新書判(112×174ミリ)・カバー 258頁 300円  


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