初めて見る本であった。表紙にパリの文字。目次を見ると「装幀・松本竣介」の文字。かの松本竣介がパリの絵を描いていた? 加えて、装幀を?
意外なことに調べてみると、松本竣介はこの版元の南北書園の本を数点装幀していた。年譜を見ると、彼はパリへ行ったとはないので、著者の芹澤の持ち帰った絵葉書などで、この煙たなびく家並み描いたのだろうか。
ともあれ、味のあるパリ風景スケッチである。ファンが多い画家が手掛けた貴重な一冊を手に入れたことはうれしい。
† パリの揺籠
芹澤光治良/著
装幀/松本竣介
南北書園●
●昭和22年10月15日発行●B6判(121×181ミリ) 218頁 六拾円
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