繊細な筆遣いが冴える、初山滋の「谷崎潤一郎」 ― 2014/05/13 13:20
絵本作家として著名な初山滋の装幀の本である。戦後すぐの粗末な小冊子にしてはヤケもなく、大事にされていたのだろう、本の状態は良い。
和紙の表紙に書き文字を巧く使っていて、絵本や挿絵とは違ったおもむきがある。このやさしい佇まいが実にいい。
著者の辰野隆は残念ながら、もう知る人もない仏文学者になってしまったが、装幀をした初山滋の人気は今でも衰えていない。ビジュアルな時代とはいえ、この出来映えで納得がいく。
† 谷崎潤一郎
辰野 隆/著
初山 滋/装幀
イヴニング・スター社●
●昭和22年10月12日発行●四六判 334頁 45円
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