『トコリの橋』! またまた、桂ユキ子の装幀本に出会う ― 2014/12/08 11:03
戦争文学は読まないし、最近では読みたい本を古書展で探すことはないから、頭の片隅でこの著名なベストセラーと桂ユキ子の名を一緒にしていなかったら、この本を手に取ることはなかったろう。
山脈を背景にドでかい腹を見せて飛ぶ爆撃機の姿は迫力満点である。写実的で、後年の画風とはまた違うが、大胆な構成と相俟って、素晴らしい実に魅力的な表紙カバー絵。またまた『装幀家で探す本』に感謝である。
† トコリの橋
ジェームス ・A・ミッチナー/著 新庄哲夫/訳
桂 ユキ子/装幀
光文社●
●昭和29年4月20日発行●B6判・カバー 216頁 230円
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転がり出てきた懐かしい加藤周一の本『読書術』 ― 2014/12/14 19:14
蔵書を整理していたら、カッパの本が出てきた。きれいなカバーの本だったので、装幀者は誰だろうと、カバー袖を見ると、何とかの有名な「亀倉雄策」先生でした。
いったい、いつ、どこで、何のために買った本なのか、皆目覚えていない。今と違って、装幀に惹かれて買った本でないことは確かだ。人間七十年近く生きてくると、段ボールの中から忘れ物のようにお宝も出てくるものだと、ひとりで感心をした。
この本、拾い読みをしてから処分するにしても、忘れ去られるには勿体ないブックデザインなので、スキャンしてみた。
† 頭の回転をよくする 読書術
加藤周一/著
亀倉雄策/カバーデザイン 金森 馨/本文イラスト
光文社●カッパ・ブックス
昭和37年10月25日初版発行●新書判 217頁 200円
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パリでのスケッチ? 駒井哲郎の装幀本発見 ― 2014/12/20 20:31
本の背にラクダのマークをつけたミリオン・ブックス。昔々の新書シリーズ本であった。懐かしさのあまり手にとると、表紙に寂しい街角のきれいな絵が描かれていた。
作者はどなたかと思いながら、ページを開くと、「駒井哲郎」の文字が目に飛び込んできた。こんな本もあったのかと一瞬驚く。
先生の年譜によると、この新書の出た昭和31年の前年の年末にフランスから帰国しているから、在仏中のスケッチをこの告発的ルポルタージュの装本に提供したのだろう。
訳者によると、フランスでは出版当時売れた本なのだが、その後すっかり忘れられた作品なのか、『駒井哲郎ブックワーク』には、なぜだか、この本は載ってはいなかった。見つけられて良かった。
† 自由なき女たち
ヴァン・デル・メルシュ/著 大塚 幸男/訳
駒井哲郎/装幀
大日本雄弁会講談社●ミリオン・ブックス
昭和31年10月25日第一刷発行●新書判 188頁 130円
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『恩地孝四郎 装本の業』未掲載本“資本” ― 2014/12/27 11:30
最近また『装丁家で探す本』で恩地先生の項を見ていたら、シンクレアの『資本』を見つけた。確か、当該本には装幀家名は載っていなかった。
前々から恩地調だなと思ってはいたがと、改めて息子さんが作った書誌と、かわじ氏の労作を対照してみると、かわじ氏が恩地先生の仕事とした書籍で、『装本の業』に不記載のものが多数あることがわかった。
『装本の業』に先生のお仕事が網羅されていると思ったのは、こっちのうっかりで、文句を言う筋合いではない。かわじ氏は古書目録だけでなく。美術館やご家族の聞き取りもなさっておられるので、一応当該本の書影をスキャンした。
† 資本(Mounten City)
アプトン・シンクレア/著 前田河 廣一郎/訳
装幀者名不記載 恩地孝四郎/装幀と思われる
日本評論社●
昭和5年4月20日初版発行●四六判 499頁 1円50銭
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記念碑的本に、「ストリップ・ティーズ」が未掲載! で残念。 ― 2014/12/29 19:23
行きつけの飲み屋ならぬ行きつけの図書館の新着図書の展示棚に『宇野亞喜良クロニクル』があった。でかくて、重い本であった。どんな内容なのか気になったので借り出した。
家に帰り、ざっと目を通すと、何か肝心なものが足りない気がした。シムノン選集はあったが、そのうちの五作品が文庫化され、それも宇野亞喜良氏が表紙を描いている。文庫は全点ない。よく見ると選集のほうも、十二作品あるのに、バリエーションも含めて七点しか掲載されていなかった。
まあ、文庫の装幀はシムノン物ばかりでなく、数があり過ぎて、みんな掲載はできないのだろうが…、残念。
† ストリップ・ティーズ (シムノン選集2)
ジョルジュ・シムノン/著 大久保和郎/訳
宇野亜喜良/装幀
集英社●
昭和44年8月25日初版発行●四六判 221頁 520円
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