昨日刷られたようなピカピカ! 石坂洋次郎の『小さな独裁者』 ― 2014/11/10 14:30
箱、本体、見返し、扉、そのすべてが美しい宝石箱を見るような本だった。箱はさすがに、七十年以上経っているので、多少の退色、擦れなどを感じるが、本体、見返し、扉はまるで、昨日刷られたようにきれい。
今まで、この方の装幀本を手にとったことがなかったし、その画業に関して、不勉強で、いい、いいと褒め上げても、忸怩たるものがあるが、見たことのない方のため、スキャンした。
機会があれば、扉や見返しも、紹介したいと思っている。
† 小さな独裁者
石坂洋次郎/著
中澤弘光/装幀
改造社●
昭和16年10月20日初版 11月15日 24版 発行●B6判 317頁 貳円四拾銭
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久しぶりに美しい駒井装幀に出会う、阿部昭の『千年』 ― 2014/11/20 17:23
この本は 『駒井哲郎ブックワーク』には、モノクロで掲載されていたので、何の印象も持たなかったが、現物を手にとってびっくりした。美しい。透かしてみると、山々か木々の連なりがおぼろげに浮き出て見えた。
指でなぞると、凹凸を感じた。型押し印刷だった。大量生産の時代のカバー印刷にしては凝ったことをしたものだが、いったい誰の意向だったのだろう。前述の『駒井哲郎ブックワーク』では、軽く扱われていて、この印刷についての記述はなかった。
† 千年
阿部 昭/著
駒井哲郎/装幀
講談社●
昭和48年4月12日第一刷発行●四六判 237頁 600円
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麻生三郎の装幀本、椎名麟三『赤い孤獨者』 ― 2014/11/25 20:27
きれいな本だった。椎名麟三の本だった。開場から四、五十分あまりたった古書展の片隅に残っていた。もちろん買った。この幸運を喜んで。
調べてみると、麻生三郎の「装幀・挿絵展」が今、鎌倉でが開かれている。来年の一月までだから、たぶん見に行くことは出来るだろう。たぶん、この本の原画が見られるだろう。気がせいて来た。
この本を偶然、古書展で手にとったお陰で、展覧会の開催中を知ることが出来た。うれしかった。またこの幸運を喜んだ。
† 赤い孤獨者
椎名麟三/著
麻生三郎/装幀
河出書房●
●昭和26年4月15日発行●B6判・カバー 285頁 200円
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