東郷青児の装幀本(1)新潮社長篇文庫『孤独なる女』2012/09/16 17:05

東郷青児/挿画

この「長篇文庫」というシリーズ企画は装幀のフォーマットが一様でないので、画面構成、タイトル文字まで、挿画を担当した画家に任されたいたようである。

すべて珍本の部類。この本の奥付あとの既刊目録には12点掲載されているが、確か20点ぐらいは出たのではないか、私はこの本しかまだ直に手にとったことがない。

フランスから戻り、一躍人気者になった後、しばらく翻訳など文筆にかまけていた時代の仕事で、青児調はまだしもながら、いい出来と思う。


† 孤独なる女


 吉田絃二郎/著

 東郷青児/挿画

 新潮社●長篇文庫

 ●昭和5年9月17日発行●120×180ミリ 並製 321頁 50銭