勝呂忠の足跡(2)シメノン選集『過去の女』の表紙 ― 2013/04/30 07:45
シムノンといっても、非メグレ物には余り興味がないので、この早川のシメノン(シムノン)選集は全部集めていないと思う。。
古書肆「芳林文庫」の目録によると、このシリーズはメグレ物も含んでいて全部で九冊あるが、勝呂忠のほかに上村経一が具象画のカバーを描いていて、その数も多い。
この勝呂のカバーにしても、過渡期なのか、後年のポケミススタイルにはまだなっていない。この具象っぽいところが何とも面白い。「判事への手紙」の表紙も勝呂だが、こっちの表紙のほうがいい。
† 過去の女
ジョルジュ・シメノン(シムノン)/著 松村 喜雄/訳
装幀/勝呂 忠
ハヤカワポケットブック802●早川書房
●昭和30年5月31日発行●ポケット判(104×180ミリ) 169頁 130円
源義&春樹さんの角川文庫・翻訳文学はこちらへ/
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シムノンのメグレ本の書誌についてはこちらへ/
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モダンアートの人 城所昌夫の装幀『騎士の陥穽』 ― 2013/04/24 09:06
この装幀で、昔この本を買ってはみたものの、この方の来歴が今ひとつ分からなかった。
しかるべきお仕事をなさった画家さんだとは思っても、その絵に出会うこともなく、ここ十数年たってしまった。ところが昨年(2012)、偶然氏を発見。といっても活字のみに過ぎなかったが・・・。
それは春のモダンアート展、草創期のメンバーを回顧する催しで、頂いた小冊子に氏の名前が記念撮影の写真とともも記載されていた。それで、やっと昔のモダンアートの人と氷解できた。
† 騎士の陥穽
ウィリアム・フォークナー/著 大久保 康雄/訳
装幀/城所 昌夫
●雄鶏社
●昭和26年2月20日発行●B6判(128×180ミリ) 360頁 250円
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勝呂忠の足跡(1)ハヤカワポケットブック『私たちは孤独ではない』 ― 2013/04/10 15:33
知り合いの大先輩に案内状頂いて、毎年桜の頃、上野であるモダンアート展に行く。
今年の特別展のテーマは『もう一度みたいあの作家』であった。会員のアンケートで招待作家を決めたようだが、そこに誰あろう、ポケミスの表紙画スタイルを作った俊才、勝呂忠の作品が二点あった。
帰宅後、家宅捜索をして、古いポケットブックをランダムに取り出すと氏の作品も出てきた。
その表紙画は具象から抽象に移る過渡期のもので、今からざった半世紀以上前の作品であった。
† 私たちは孤独ではない
ジェイムズ・ヒルトン/著 村上 啓夫/訳
装幀/勝呂 忠
ハヤカワポケットブック507●早川書房
●昭和29年5月5日発行●ポケット判(103×182ミリ) 144頁 120円
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