駒井哲郎、晩年のお仕事?『笹まくら』2018/09/04 08:09

駒井哲郎/装幀

作品の制作年は分からないが、先生、晩年のお仕事と思う。別に読むために買ったわけではないので、忘れないうちにスキャンしてみた。


† 笹まくら


 丸谷 才一 /著   

 駒井哲郎/装幀

 河出書房新社●

 昭和50年8月15日発行●四六判 365頁 980円  


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パリでのスケッチ? 駒井哲郎の装幀本発見2014/12/20 20:31

駒井哲郎/装幀

本の背にラクダのマークをつけたミリオン・ブックス。昔々の新書シリーズ本であった。懐かしさのあまり手にとると、表紙に寂しい街角のきれいな絵が描かれていた。

作者はどなたかと思いながら、ページを開くと、「駒井哲郎」の文字が目に飛び込んできた。こんな本もあったのかと一瞬驚く。

先生の年譜によると、この新書の出た昭和31年の前年の年末にフランスから帰国しているから、在仏中のスケッチをこの告発的ルポルタージュの装本に提供したのだろう。

訳者によると、フランスでは出版当時売れた本なのだが、その後すっかり忘れられた作品なのか、『駒井哲郎ブックワーク』には、なぜだか、この本は載ってはいなかった。見つけられて良かった。


† 自由なき女たち


 ヴァン・デル・メルシュ/著  大塚 幸男/訳  

 駒井哲郎/装幀

 大日本雄弁会講談社●ミリオン・ブックス

 昭和31年10月25日第一刷発行●新書判 188頁 130円  


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久しぶりに美しい駒井装幀に出会う、阿部昭の『千年』2014/11/20 17:23

駒井哲郎/装幀

 この本は 『駒井哲郎ブックワーク』には、モノクロで掲載されていたので、何の印象も持たなかったが、現物を手にとってびっくりした。美しい。透かしてみると、山々か木々の連なりがおぼろげに浮き出て見えた。

 指でなぞると、凹凸を感じた。型押し印刷だった。大量生産の時代のカバー印刷にしては凝ったことをしたものだが、いったい誰の意向だったのだろう。前述の『駒井哲郎ブックワーク』では、軽く扱われていて、この印刷についての記述はなかった。


† 千年


 阿部 昭/著  

 駒井哲郎/装幀

 講談社●

 昭和48年4月12日第一刷発行●四六判 237頁 600円  


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駒井哲郎の仕事(4)福永武彦『冥府・深淵』の装幀2013/06/16 11:02

駒井哲郎/装幀

駒井哲郎ブックワークに再録された先生のエッセイを読んでいたら、戦後最初の装幀の仕事がこのミリオン・ブックスの「深淵」ではなかったかとの記述があった。

ところが、ブックワークにはその書影はないし、後ろの年譜にもそんな事実は見当たらない。その年譜によると、昭和29年3月に渡仏、この本の初版が出る前年にパリを発ち、マルセーユより帰国の途に、12月に横浜港に着いているので、留学後の最初の仕事に違いはなさそう。

こうなれば、現物を見て確認するしかないので、友人の近代文学の蒐集家に問い合わせると、当該本を所持しているというので、拝借して確認、その書影と書誌情報を得ることが出来た。

ちなみに、本人が語っているそのエッセイの初出は講談社の『現代の文学(7)福永武彦』の月報となっていたが、その確認はまだ出来ていない(図書館でこのシリーズの月報合本と取り寄せて確認出来ました)。


† 冥府・深淵


 福永武彦/著

 駒井哲郎/装幀

 大日本雄弁会講談社●ミリオン・ブックス

 ●昭和31年3月25日初版●新書判 212頁 130円  


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駒井哲郎の仕事(3)福永武彦『世界の終り(新装版)』の挿画2012/12/29 10:36

駒井哲郎/装画(箱)

箱の挿画。ひとつの作品として見たくなって、表、裏、背の三面に分断されている作品を合成してみた。

同一条件でスキャンしたのだが、色味は微妙に違ってしまい、ちょっと仕上がりには不満だが、誰もこんなことはしてみないだろうから、良しとした。

こうして一画面にして眺めると、この世にないものを見せてくれる先生の面目躍如、讃歎を新たにした。駒井の後に駒井なしの思いを深くしてしまうのは、私ばかりではないだろう。


† 世界の終り(新装版)


 福永武彦/著

 駒井哲郎/装画(箱)

 人文書院●

 ●昭和44年9月30日再版●B6判・カバー 277頁 560円