水原秋桜子『薩摩山菊』の装幀者?上村 巌さんって、誰?2013/05/05 08:38

装幀/上村 巌

カバーには菊の花束が描かれていた。見事である。さすが俳句界の大御所の随筆集である。版元も四季社。丁寧な本づくりの出版社として知られる。

装幀者の名前もちゃんと書いてあった。落款代わりのサインもカミムラとある。しかし、存じ上げないお名前。しかし、美しい菊の花束に惹かれて購入した。

しかし、今だこの方がどこの誰なのか、何をした人なのか、どんなお仕事をされた方かさっぱり分からない。

しかし、思わぬ拾いものであったことは確かだった。この随筆集で、秋桜子先生は、夭折の画家、佐伯祐三の『壁』という作品を褒めていた。

それは戦後、日本橋三越であった展覧会での印象を書いたもので、その語る的確な内容に私も眼をひらかれた。俳句ばかりの人ではなかったのです。それにしても、上村 巌って、どなたでしょう。謎なぞ???。


† 薩摩山菊


 水原秋桜子/著

 装幀/上村 巌

 ●四季社

 ●昭和28年6月30日発行●カバー B6判(128×182ミリ) 284頁 250円


源義&春樹さんの角川文庫・翻訳文学はこちらへ/

http://www.k5.dion.ne.jp/~miauler3/kado/kado00.html


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三橋一夫『揺れる斜面』の装幀者・吉村 保三さんって、どなた?2013/05/10 07:58

装幀/吉村 保三

はっきり言って、あまり気に留めていなかった本である。崩れ落ちてくる本の山に閉口して、オークションでの売却を考え、カバーをスキャンした。

そうして改めて眺めてみると、なかなかなのだ。捨てたものではない。しかし、問題があった。前回の『薩摩山菊』と同じように、この本の装幀者の来歴がさっぱり分からない。

しかし、三橋一夫の本としては珍しいし、現代小説と称しているが、ミステリーだし、読了してまあまあだし、掲載することにした。


† 揺れる斜面


 三橋一夫/著

 装幀/吉村 保三

 青樹社●書下し長篇現代小説

 ●昭和37年4月25日発行●カバー 四六判(127×185ミリ) 306頁 350円


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今、回顧展が開かれている、桂 ゆきの自装本「狐の大旅行」2013/05/16 10:44

装幀・カット/桂 ゆき

桂ゆき(ユキ子)生誕記念展を東京都現代美術館でやっている。明日にでも行ってみようと思っている。生前お会いしたことのある唯一の大画家である。ユキ子といっていた頃もあった。

カッパ・ブックスの「女ひとり原始部落に入る」もカバー絵は彼女のものだったはずだが、この旅行エッセーを集めた随筆集は表紙もカバーも見返しも、それから挿絵もあって「ゆき」世界を展開している。

会場には花田清輝「さちゅりこん」の表紙絵になった箒を持ったお掃除おばさんの絵はあるだろうか。楽しみである。


† 狐の大旅行


 桂 ゆき/著

 装幀・カット/桂 ゆき

 創樹社●

 ●1974年1月30日第1刷発行●四六判(127×188ミリ)

 カバー 262頁 820円


山田風太郎の本「魔天忍法帖」、ピンク版、青版どっちがいい?2013/05/20 20:32

青(右側)は後版カバー/装幀・村上 豊

風太郎ブームが懐かしい、横溝ブームも懐かしい。昭和も遠くなりにけり。流行まくった頃は風太郎は角川文庫で四十冊ぐらい文庫本になっていたはずだ。

この「魔天忍法帖」は昭和四八年の発行。この時まだ、角川文庫の目録には風太郎の名前はない。上記本の青版の出た翌、昭和五〇年四月の目録に「くの一」「甲賀」「伊賀」と、三冊の忍法帖が掲載されている。これ以後一気にブームは巻き起こったと思われる。

あれから四十年あまり、この作品も徳間文庫でならまだ読める。この東京文藝社版は初版はピンク系でカバーを作り、翌年、再版のおり、カバーの色使いを修正し、価格をあげて、まるで初刷のような形で発行されたいる。変なことをする出版社もあるものだ。

私は後版のブルーのカバーのほうが好きである。村上 豊先生の裸婦の奇妙奇天烈さも驚き。皆さんは如何?


† 魔天忍法帖


 山田風太郎/著

 村上 豊/装幀

 東京文藝社●

 <桃(ピンク)版>

 ●昭和48年8月31日発行●四六判・カバー 303頁 580円

 <青版>

 ●昭和49年11月30日発行●四六判・カバー 303頁 790円

 (カバーの旧定価部分スミベタ消し)

自分の書棚で発見! 吉原治良の装幀本2013/05/30 11:48

吉原治良/装幀

桂ゆき展へ行って、「女ひとり原始部落入る」を読みたくなった。確か、昔々買った覚えがあったので、古本の山を崩して探したが出てこない。代わりに吉原先生のこの本が出てきた。

戦後すぐに出たお粗末な本で紙も悪く、見事に焼けた状態では印刷当初は偲ぶべくもないが、扉には女性の顔があり、こっちは少しはましな状態なので、表紙とともにスキャンして並べた。 如何?


† アメリカ文学手帖


 志賀 勝/著

 吉原治良/装幀

 朝日新聞社●

 ●昭和23年12月20日発行●B6判 206頁 140円