村山知義の仕事(3)自装本『志村夏江・初恋』 ― 2015/11/11 16:46
こんな本があったのだ。
作者の長い演劇活動や、美術活動を紹介する展覧会の図録などでは、見たことのない。珍しい本だと思う。
戦後すぐの出版だから、貧弱な体裁は「仕方がない」が、裏表紙にかけて、工場街を描いた作者の絵には魅了された。ご紹介のためにスキャンした。如何でしょう。
† 志村夏江・初恋(村山知義戯曲選集 第一巻)
村山 知義/著
村山知義/装幀
檜書房●
昭和21年10月15日初版発行●四六判 185頁 15円
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村山知義の仕事(2)自装本『新劇の再建』 ― 2013/11/10 16:33
戦後すぐに出た本なので、なにぶん粗末な作りの本だが、こうして表紙だけでなく、背と裏表紙と一緒に眺めてみると、廃墟から立ち上がる日本と新劇の行方をだぶらせて、なかなか。
内容的にはのちの著書に譲るとしても、敗戦後、すぐにこうした本をまとめる意欲やすばらしい。
私にとって、この本は読むより眺める本。新劇史に興味がないから仕方がない。なにしろ、先生の『忍びの者』すら、まともに読んでいない私、ましておやである。
注:掲載後、本書には昭和22年11月15日発行、定価100円の同一装幀の前版があることが分かった。出版社は同じ、カバーがあったのかは確認出来なかった。
† 新劇の再建
村山知義/著
村山知義/自装
弘文社●
●昭和25年10月10日発行●B6判 416頁 200円
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こんな人が装幀を!(四)岡倉士朗の手すさび、『街の風景・地下鉄』 ― 2013/01/26 12:35

岡倉士朗といえば、むかし昔の舞台演出家として著名だが、若い頃(大東亜戦争前)戯曲集の装幀もやっていたのだ。
先生の演劇上の履歴や業績に不案内な私には何ともいえないが、新築地座にいたことからすると、このライスの戯曲集は内容からして、舞台かけるための翻訳してもらっての出版だったか。
玄人はだしの腕? まあ昭和初期の雰囲気を良しとして、まずは及第。
† 街の風景・地下鉄
エルマー・ライス/著 杉木 喬/訳
装幀/岡倉士朗
健文社●
●昭和11年8月20日発行●四六判(128×188ミリ) 308頁 1円
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これは珍しい! 流政之の装幀「ストーン夫人のローマの春」 ― 2012/11/12 10:03
装幀アットランダム(18)テネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」 ― 2012/09/22 10:48
テネシー・ウィリアムズの「欲望という名の電車」初訳本である。ブロードウェイで大当たりをとり、映画化されたこともあり、後にこの本は新潮文庫になった(現在あるのは小田島先生の新訳)。
版元はつぶれる前の創元社で、まだ、ミステリなど出していない大阪にあったころの出版で、昔日感無量である。
永らく探していて、お目にかかれなかった本。手に入れて、またビックリした。
装幀はかの「カルバドスの唇」の吉原治良。ちょっとゴチャゴチャして、装幀としてはどうかという画面だが、もの珍しいさも手伝って取りあげることにした。
† 欲望という名の電車
テネシー・ウィリアムズ/著 田島 博&山下 修/共訳
装幀/吉原 治良
創元社●
●1952年10月10日発行●B6判 上製カバー 320頁 300円
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