どんなものか? 吉田謙吉の装幀本! 『次の時代』2015/12/12 07:32

吉田 謙吉/装幀

今ひとつの観は否めないが、表紙に「ken」のサインがあったので、購入した。昭和初頭の雰囲気がするのが取り柄かな。

このところ、あんまりいい装幀に出会わないので、この辺で妥協して、スキャンしてみたが、どんなものだろうか。


† 次の時代


 安部磯雄/著   

 吉田 謙吉/装幀

 春陽堂●

 昭和5年10月15日発行●四六判 箱入り 396頁 1円50銭  


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装幀に屈託あり(30)若き日の吉田謙吉の仕事2013/02/28 09:42

吉田謙吉/装幀

この本を買ったのはかの吉田先生の装幀本だったからである。八十年以上も前の戯曲集で、内容は興味津々、時間があったら読みたいがまだ読んでない。

背と裏表紙まで一続きの絵になっている構成で、この頃の画風はとぼけた元祖ヘタウマ派のおもむきがあって面白い。

以前、吉田謙吉の最高のクラスの仕事であると紹介した火野葦平の『小説欧羅巴』に比肩し得る仕事と思う。


† 飛ぶ唄


 金子洋文/著 吉田謙吉/装幀

 平凡社●昭和4年12月10日発行

 ●四六判・箱はあるはずだが、欠 412頁 1円30銭

全集&叢書の装幀(4)吉田謙吉だった『世界プロレタリヤ文藝選集』2012/10/07 10:38

吉田謙吉/装幀

時代がかった意匠が多い戦前の装幀の中にあって、超モダンである。この頃のロシアンアバンギャルドの影響と思う。

奥付裏の広告ページを見ると、この叢書第一期十二冊刊行とある。その前にもこの版元・金星堂は同様のプロレタリア文学の翻訳選集を出しているので、その焼き直しかも知れない。

案の定、この全集の装幀者は未記載である。しかし、幸運なことに扉のカットに「ken」のサインがあった。それで、かの吉田謙吉とした。


† 拝金芸術


 アプトン・シンクレア/著 木村生死/訳 吉田謙吉/装幀

 金星堂 世界プロレタリヤ文藝選集 昭和5年3月15日 発行

 B6変型・並製(125×165ミリ) 199頁 30銭


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装幀に屈託あり(18)吉田謙吉の装幀 「小説 欧羅巴」2011/12/27 09:12

箱とカバー(右)吉田謙吉の装幀

絢爛豪華たる装幀である。いかにも火野葦平の本。西欧に題材も求めた小説集に相応しい出来映えである。

表紙、扉も十分な配慮がなされていて、恐らく吉田謙吉の最高のクラスの仕事であると思う。

ある装幀の本では「ken」というサインが一人立ちして、装幀者名にされていたが、この「ken」のサインのある装幀本はみんな吉田謙吉の仕事のはず。

これも装幀者名の記載のない本が多すぎることからの誤解である。


† 小説 欧羅巴


 火野葦平/著 吉田謙吉/装幀 カット絵/火野葦平

 北辰堂●昭和29年10月30日発行

 ●B6判・上製箱入りカバー付 301頁 300円


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