転がり出てきた懐かしい加藤周一の本『読書術』 ― 2014/12/14 19:14
蔵書を整理していたら、カッパの本が出てきた。きれいなカバーの本だったので、装幀者は誰だろうと、カバー袖を見ると、何とかの有名な「亀倉雄策」先生でした。
いったい、いつ、どこで、何のために買った本なのか、皆目覚えていない。今と違って、装幀に惹かれて買った本でないことは確かだ。人間七十年近く生きてくると、段ボールの中から忘れ物のようにお宝も出てくるものだと、ひとりで感心をした。
この本、拾い読みをしてから処分するにしても、忘れ去られるには勿体ないブックデザインなので、スキャンしてみた。
† 頭の回転をよくする 読書術
加藤周一/著
亀倉雄策/カバーデザイン 金森 馨/本文イラスト
光文社●カッパ・ブックス
昭和37年10月25日初版発行●新書判 217頁 200円
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こんな人が装幀を!(六)とぼけた味わい和田三造『快馬一鞭』 ― 2013/04/15 18:43
明治、大正、昭和に渡って活躍した和田三造の装幀本である。伸びやかな筆致のうちに、少し惚けた味わいがあって巧い、実にいい仕事である。
しかし考えてみると、教科書にも作品が載っている大巨人の展覧会や回顧展はあまり覚えがない。図録なども流布していない。調べてみると、あの東京大空襲のため、その主要に作品は焼尽したとのこと、実に残念である。
たまたま、古書展でこの美しい本に出会い購入したが、これからも機会があれば、先生の装幀の本をいろいろ見てみたいものだ。
† 快馬一鞭
南陽 坪野平太郎/著
装幀/和田三造
東京實業社●
●昭和10年10月12日発行●箱 四六判(127×187ミリ) 325頁 貳円
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装幀アットランダム(20)河野鷹思の「大學の門」に出会う ― 2012/11/08 08:31

田村泰次郎は何とかの「門」というタイトルが好きだったらしい。寡聞にして、この本を見つけるまでこの作品のことなど知らなかった。
戦後すぐの仙花紙本であるが、この表紙に惹かれて手に取ると、装幀者が河野鷹思だった。
後で調べると初版は別の装幀だったらしい。版元はどんな事情で再版から装幀を替えてのか分からないが、デザイン界の大御所となる河野先生の仕事の一端に触れられて、こんなうれしいことはない。
† 大學の門
田村泰次郎/著
装幀/河野 鷹思
イヴニングスター社●
●1923年5月2日二版発行●B6判 277頁 80円
装幀に屈託あり(29)真似てくれたよ、櫻井忠温(ただよし)さん! ― 2012/02/18 07:02
昨年12月、この屈託のページ(17)で褒めあげた「土の上・水の上」の装幀が大いなる盗用であったことが解った。
不覚であった。どこかで見たことのある機関車の絵だなと、頭の隅で思っていたが、今年になって、いろいろ資料を渉猟していて、カッサンドルのポスターに偶然ぶち当たった。
唖然、愕然、アムンゼンであった。
しかし、巧みに自分の絵の中に、カッサンドルのポスター『北方急行列車』を取り込んだものだ。模写の技術もすばらしい(もしかして、ポスターそのものを張り込んで、顔料で加工、版下を作ったのかも)。
ポスターの制作年から推定すると、忠温先生、フランス滞在中、このポスターを見るか、持ち帰りでもして、盗用したものと思われる。
†土の上・水の上
櫻井忠温(ただよし)/著
装幀/櫻井忠温
實業之日本社●
●昭和4年9月15日初版/昭和4年10月9日十三版発行●四六判・461頁 貳円
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広告の中のアイドル(18)靖子、りえ、久美子 ― 2011/08/24 11:10

† 太平記で共演 「沢口靖子」「宮沢りえ」「後藤久美子」
いやー、今にして思えば、錚々たる女優さんばかりでした。
写真には写っていませんけれど、樋口可南子も原田美枝子も出演していたのですから。
なにしろ、二十年前ですから、皆さんお若いです。
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