終戦翌年の年の暮れ発行の仙花紙本だった。混み合う即売会で、理不尽な書痴たちに揉みくちゃにされながら、手にとった。
歳月の割には保存良好。蝶々の絵は誰?と頁を開くと、岡本太郎とあった。
先生らしくない装幀である。が、太郎となっているのだからと買うには買ったが、スキャンしても、らしくないものはらしくないので、直らなかった(アタリマエ)。
何か蝶々に屈託があったのだろうか? 太郎先生の美術館は装幀に対して冷たいから、困った末のこんな酔狂もいいだろう。
† 香妃の妹
林 房雄/著 岡本太郎/装幀
後藤書店●昭和21年12月15日発行
●B6判 266頁 20円
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