山田風太郎の本「魔天忍法帖」、ピンク版、青版どっちがいい?2013/05/20 20:32

青(右側)は後版カバー/装幀・村上 豊

風太郎ブームが懐かしい、横溝ブームも懐かしい。昭和も遠くなりにけり。流行まくった頃は風太郎は角川文庫で四十冊ぐらい文庫本になっていたはずだ。

この「魔天忍法帖」は昭和四八年の発行。この時まだ、角川文庫の目録には風太郎の名前はない。上記本の青版の出た翌、昭和五〇年四月の目録に「くの一」「甲賀」「伊賀」と、三冊の忍法帖が掲載されている。これ以後一気にブームは巻き起こったと思われる。

あれから四十年あまり、この作品も徳間文庫でならまだ読める。この東京文藝社版は初版はピンク系でカバーを作り、翌年、再版のおり、カバーの色使いを修正し、価格をあげて、まるで初刷のような形で発行されたいる。変なことをする出版社もあるものだ。

私は後版のブルーのカバーのほうが好きである。村上 豊先生の裸婦の奇妙奇天烈さも驚き。皆さんは如何?


† 魔天忍法帖


 山田風太郎/著

 村上 豊/装幀

 東京文藝社●

 <桃(ピンク)版>

 ●昭和48年8月31日発行●四六判・カバー 303頁 580円

 <青版>

 ●昭和49年11月30日発行●四六判・カバー 303頁 790円

 (カバーの旧定価部分スミベタ消し)