濱田知明である。暗い絵である。しかし、ある時代を映して秀逸、納得せざるを得ない素晴らしいエッチングである。
この文庫のための制作ではないとは思うが、河出文庫特装版の中でも、土岐善麿の「明治大正芸術史」と一、二を争う出来映えと評価したい。
まあ、野間宏にしろ、眞空地帯にしろ、今では見向きもされないだろうから、カバー紹介にかこつけて、披露した次第である。
† 眞空地帯 上巻 河出文庫特装版
野間 宏/著 濱田 知明/カバー装幀
河出書房 昭和30年8月20日 新装版第3刷 発行
A6判(105×148ミリ) 232頁 90円
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