雑司が谷タイム・スリップ その1 ― 2012/06/27 10:34
「復讐するは我にあり」の福寿荘 東京都豊島馬区雑司が谷
†ここで殺人があった
今ではすっかり様変わりをしてしまった東京・池袋の南、鬼子母神周辺だが、私が小さい頃は都電停留所から明治通りにかけて、賑やかな商店街があった。
高田本町二丁目。そう、町名変更でなくなってしまったのだ、鬼子母神とその商店街をはさんで明治通りまでは、そう呼ばれていた。その商店街の中ほどに、鬼子母神の電停から行くと右手に古色豊かなアパート福寿荘があった。中廊下を抜けるとけやき並木の鬼子母神への参道へ出られた。
高田本町があったころの餓鬼どもは通り抜け禁止の張り紙を無視して、よく走り通ったものだ。
ここでの映画の撮影は別室らしいが、西口はここに住む老弁護士を殺した。今はそんなことも知らぬげに小さいマンションになっている。
ちなみに電停近くの肉屋もロケ地になった。あれから三十年以上たったがその店も親爺も健在である(撮影された店はない)。
パリの本(13)何とも贅沢な「脚のある巴里風景」! ― 2012/06/18 11:15
パリの本(12)佐野繁次郎の画集か「巴里風物誌」は! ― 2012/03/12 06:41
装幀に屈託あり(29)真似てくれたよ、櫻井忠温(ただよし)さん! ― 2012/02/18 07:02
昨年12月、この屈託のページ(17)で褒めあげた「土の上・水の上」の装幀が大いなる盗用であったことが解った。
不覚であった。どこかで見たことのある機関車の絵だなと、頭の隅で思っていたが、今年になって、いろいろ資料を渉猟していて、カッサンドルのポスターに偶然ぶち当たった。
唖然、愕然、アムンゼンであった。
しかし、巧みに自分の絵の中に、カッサンドルのポスター『北方急行列車』を取り込んだものだ。模写の技術もすばらしい(もしかして、ポスターそのものを張り込んで、顔料で加工、版下を作ったのかも)。
ポスターの制作年から推定すると、忠温先生、フランス滞在中、このポスターを見るか、持ち帰りでもして、盗用したものと思われる。
†土の上・水の上
櫻井忠温(ただよし)/著
装幀/櫻井忠温
實業之日本社●
●昭和4年9月15日初版/昭和4年10月9日十三版発行●四六判・461頁 貳円
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http://www.k5.dion.ne.jp/~miauler3/kado/kado00.html
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装幀に屈託あり(18)吉田謙吉の装幀 「小説 欧羅巴」 ― 2011/12/27 09:12
絢爛豪華たる装幀である。いかにも火野葦平の本。西欧に題材も求めた小説集に相応しい出来映えである。
表紙、扉も十分な配慮がなされていて、恐らく吉田謙吉の最高のクラスの仕事であると思う。
ある装幀の本では「ken」というサインが一人立ちして、装幀者名にされていたが、この「ken」のサインのある装幀本はみんな吉田謙吉の仕事のはず。
これも装幀者名の記載のない本が多すぎることからの誤解である。
† 小説 欧羅巴
火野葦平/著 吉田謙吉/装幀 カット絵/火野葦平
北辰堂●昭和29年10月30日発行
●B6判・上製箱入りカバー付 301頁 300円
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