『戀の紋章』の装幀者、中田敏夫さんって、どんな方?2015/02/01 18:16

中田敏夫/装幀

見ての通り、実に面白い表紙である。しかし、この装幀者のことが皆目分からない。

その昔、英米文学の古書価ばなぜか高く、中でもロレンスものは突出がいた。この本もその例で、当時七、八千円はしていて、私は買えなかったのを覚えている。

今から八十年も前に出た本にしては実にきれい。「狐」という題名の作品が掲載されているので、狐が描かれているわけで、それがどうだと詰め寄られても困るが。眺めているだけでも、手元に置いておく価値はある。

これも古書価下落のお陰である。


† 戀の紋章


 D.H.ロレンス/著●宮西 豊逸/訳  

 中田敏夫/装幀

 牛山堂●

 昭和10年12月10日初版発行●四六判 315頁   


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カバー本の装幀も捨てがたい雄鶏ミステリーです2015/02/09 09:55

野口久光/装幀

雄鶏ミステリーといえば野口久光の映画ポスター風のイラストの表紙をすぐ思い浮かべるが、これとは別に薄い紙の共通デザインのカバーで包んだボール紙装本も同氏の装幀で出ている。

各巻を違ったイラストで飾るソフトカバー本のほうが人気があるようだが、共通カバーも捨て難いのでスキャンしてみた。このシリーズで全巻カバー本もあるのでしょうか?

今は音沙汰のない芳林文庫の目録『探偵趣味』を見ても分からなかった。


† 或る男の首


 ジョルジュ・シムノン/著  永戸 俊雄/訳  

 野口久光/装幀

 雄鶏社●ondori MYSTERIES

 昭和25年5月25日初版発行●B6判 241頁 160円  


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『碑』。こんな青山二郎の装幀もあったのだ!2015/02/13 18:35

青山二郎/装幀

前に一度、好きでもない青山二郎の本を云々したことがあるが、この本の単純、明快さには参った。表紙は金押しで一文字。背を見なければ”いしぶみ”とは読めまい。

青山二郎の仕事を紹介する本はいろいろ出ているのに、この装幀本が登場して来なかったのは実に不可思議千万。で、取り敢えずスキャン! 

某店の均一本だから箱がなかったのは仕方がない。如何なる装幀なんでしょうかね。もしかして箱はがっかりということもあり得るが、次の出会いを期待しよう。


† 碑(いしぶみ)


 中山義秀/著    

 青山二郎/装幀

 創元社●

 昭和14年7月29日発行●四六判 421頁 1円80銭  


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何とも贅沢な三者揃い踏みの本。喜司山治『維新前夜』 !2015/02/22 16:33

伊藤喜朔/装幀

障子を開けたら、目の前は広がる海。そこに見えるのは黒船。幕末の舞台装置が一幅の絵になっている。作者はキサチャンと伊藤のことを愛称で呼んでいたらしいが、伊藤喜朔の友情厚い仕事なのであろう。

『維新前夜』は全六巻で、私はこの巻を含めて三冊しか、そのカバーの装幀を見ていない。その中ではこの装幀が一番気に入ったのだが。

まだ見ていない二、五、六巻も是非見たいが、カバー付で国会とか、どこかの図書館に納まっているとは全く考えられないので。儚い望みである。


† 維新前夜 第三巻


 喜司山治/著  

 伊藤喜朔/装幀☆藤森成吉/題簽☆玉井徳太郎/ 挿絵&口絵

 春陽堂書店●

 昭和17年5月18日初版発行●四六判 本文288頁+あとがき1頁 1円80銭  


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藤田嗣治の戦争画と軍記本『ノロ高地』2015/02/24 00:50

藤田嗣治/装幀

友人に誘われて竹橋の美術館に行って、偶然フジタの戦争画を見た。その絵は横長で、広々とした草原が描かれていて、そのほぼ中心に戦車があり、数人の兵隊が取り付いている構図だった。

アッツ島の玉砕などを模した作品と違って、意外と明るい絵だったので、ちょっと意表を突かれた。確か戦車を描いたフジタの装幀本があったはずと、この本を捜し出した。

見ると灼けと汚れで状態は今一つ。で、明るく調子に修正したが、この装幀画も伸びやかな筆致でなかなか。さすがフジタと思った。が、美術館の無期限貸与作品には遠く及ばない。

あの竹橋に展示されていた「ハルハ河畔之図」を掲載している本もあるが、如何せん小さい。原画で見るに越したことはない。もう一度竹橋へ行きたい誘惑に駆られる。



† ノロ高地(ノモンハン戦車殲滅戦記)


 草葉 栄/著  

 藤田嗣治/装幀並び扉絵●江口眞一(従軍画家)/本文カット

 鱒書房●

 昭和16年2月20日初版/同年5月15日四百十版発行●B5判 331頁1円50銭

 


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