メグレ物の装幀 高井貞二の仕事『水門』2013/11/27 09:05

装丁/高井 貞二

この春秋社の本では以前、装幀を三芳悌吉氏が手掛けられたものを紹介したが、この「水門」の表紙もいい。眺めていると、フランスで運河の旅をしている気分になれる。

作者は高井貞二氏。迂闊ながら、和歌山県立美術館で二年前に回顧展があったことはネットで調べるまで知らなかった。

戦前のこのシムノン・シリーズの翻訳は十一冊あって、今となっては全部で珍本。そのうち六冊がメグレ物と思われる(古書肆・芳林文庫・探偵趣味三号による)。

眺めるだけならこっちでも構わないが、読むことを想定すると、河出の五十巻本を推薦する。(こっちも絶版だが、図書館にはある)。


† 水門


 ジョルジュ・シメノン(シムノン)/著 伊東鋭太郎/訳

 装幀/高井 貞二

 春秋社●

 ●昭和12年5月20日発行●四六判 187頁 60銭


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