恩地孝四郎の仕事(4)偶然?異装『柚子の種』?2013/10/12 09:19

装幀/恩地孝四郎

この本の箱は例の先生の「装本の技」には掲載されていなかったので、箱付の本が手に入って喜んだ。

 が、しかし、金箔押しの布表紙に、縦に四本、白いかがり糸があった。裏にも二本、両方とも、バランスよく配置されていて、一瞬、異装本かとも思ってしまった。

 なにしろ、当該本は著者の土岐善麿が知人に贈呈した署名本である。造本に瑕疵のある自著を贈るだろうか?とか、はたしてミスを承知の上、版元は著者にこの本を手渡したのだろうかとか、いろいろ謎は深まり、判断に戸惑う。

 困ったことだ。


† 柚子の種


 土岐 善麿

 装幀/恩地孝四郎

 大阪屋号書店●

 ●昭和4年11月7日発行●箱 四六判(125×185ミリ) 383頁 1円90銭    


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