古澤岩美が装画、芹沢光治良『巴里に死す』2013/07/04 09:49

古澤岩美/カバー装画

古澤岩美に文庫本のカバー装画があった。どこかパリの街角を描いたらしい。右側に降りる階段がある、賑やかな観光地。パリムード溢れるスケッチ、さすがである。

ここはパリのどこなのだろうかと、いろいろ写真集をひっりかえして見たが、ここがどこか特定出来なかった。

この手慣れた筆致で描かれた風景。どこかにありそうだが、どこでもない空想の街角なのだろうか?。どなたか、ここを歩いたことがありますか?


† 巴里に死す


 芹沢光治良/著

 古澤岩美/カバー装画

 新潮文庫●

 ●昭和29年6月29日発行/昭和43年7月10日26刷改版/昭和54年11月10日●文庫判 214頁

 220円


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モダンアート創立展に出品、荒井龍男の装幀『幸薄くとも』2013/07/23 09:40

装幀/荒井 龍男

ウィラ・キャザー。近年、すっかり忘れられた作家である。戦前、戦後にかけて、いろいろ翻訳されたにも、かかわらず、その作品は現在、数点訳書があるのみで、文庫では読めない。

この『幸薄くとも』も珍本の部類。読みたければ国会図書館へ行かなければならない(ネットで検索したら、某翻訳書専門店に在庫があったこともあるが)

その本の装幀者が荒井龍男。浅学にして、存じ上げなかったが、美術出版社から作品集が出ていた。年譜によると、戦前パリに留学、戦後モダン・アートの創立展に出品されていた。

そんな履歴の方が私の好きなキャザーの本の装幀をしていたとは。抽象っぽい感じで、古い焼き物の絵付けを思い出させる面白い表紙になっている。

装幀が取り持つ縁で、未知の人が既知の人になって、うれしい。これも図書館とネットのお陰である。


† 幸薄くとも


 ウィラ・キャサア(キャザー)/著 宮西 豊逸/訳

 装幀/荒井 龍男

 昭森社●

 ●昭和17年8月20日発行●四六判(130×187ミリ) 258頁 1円80銭


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