こんな人が装幀を!(五)ただならぬ気配を感じた川村清雄の『洗心広録』 ― 2013/03/14 10:51
最近では意識的に古書店に立ち入ることは避けている。なるべく古本を買わないためだ。神田へも晴れの日に即売会に行くぐらいにして蔵書の増殖を避けている。
しかし神田へ行けば、必ず店先の格安本を一度は漁ってみる店がある。悪癖だ。これは直らない。
それは箱なしだった。それが幸いした。露伴だから箱に収まっていたら、手にとることもなく、わざわざ箱から出して見ることもなかったろう。そしてその表紙に目を奪われることはなかったろう。
何が幸いするか分からない。箔押しされた表紙にただならぬものを感じた。箱欠で、再版、背にぶっつかった凹みキズがあるので格安であった。
装幀者名は書いていない。取り敢えず購入して調べてみたら、江戸博などで昨年再評価の展覧会があった川村清雄であった。
† 洗心廣録
露伴學人(幸田成行)/著
装幀/川村清雄
至誠堂書店●
●大正15年6月12日発行/6月20日再版●B6判(128×182ミリ) 612頁 3円80銭
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