藤田嗣治の絵を全面に使った装幀本である。著者は版元の社長として名高い。年譜によるとフジタは軍の嘱託で中国へ行く前、北京に行っているので、その時のスケッチを使ったのだろう。
本体と箱は同じ。表裏背の三面を全部使って、万里の長城を描いてある。余計なことであるが、折角なので、加工して、全面が一体化して見えるようにしてみた。
まあ、フジタにしてみれば、こんなものほんの手すさび、お茶の子さいさいだったろう。
† 支那事変 北支之巻
山本実彦/著
藤田嗣治/挿画
改造社●
●昭和12年10月19日発行●四六判・箱 334頁 1円60銭
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