つれづれに古本屋めぐりを楽しんで、四十年あまり、その間についつい買ってしまった本がたまりにたまり、そんな蒐書のおかげもあって、長い時間はかかりましたが、角川文庫の翻訳文学の書誌とシムノンのメグレ物の翻訳書誌(http://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/)のH.P.の開設にたどり着くことができました。 しかし、わが家の雑書のおびただしい散乱を見るにつけ、何とかしなくてはと焦り、自分の年齢を考えるにつけ、本の仕末をつける時間はもうわずかと思うようになりました。 そうはいっても、折角時間をかけて蒐書した本をすぐに売却処分はちょっと悲しい。何とか本のデータぐらいはまとめてからとは思うものの、これからまた新たな書誌のH.P.作成にかかるのはちょっとシンドイ話(なにしろタグをいちいち書いて行く)です。 そこで雑書の山の中から、これはという本を見つけ、その紹介をアサブロで済ませてから処分して、少しずつ少しずつ家中をすっきりさせることにしました。 そのようなわけですので、このアサブロではそれぞれの本の詳しい内容の紹介はしません。昔はこんな本もありましたと、書誌データと書影を掲載するだけですが、ご興味を持たれた本があれば、探求のご参考にお役だてお使いください。
かの子の本だから、日本画風の装幀にしたのだろうか。内容に即して、表現も過不足なく、画面構成も決まった品のいい装幀である。
装幀者は川島理一郎。私は不勉強で存じ上げない名前だが、アメリカで絵画を学んで戦争を挟んで活躍した洋画家らしい。
岡本かの子の本の装幀の中では、「巴里祭」の再版の息子太郎の仕事が一番と思っているが、これはその次としたい出来である。
岡本かの子/著
装幀/川島 理一郎
創元社●
●昭和14年6月22日発行●B6判 上製箱入り 254頁 1円70銭
by ミックノキモチ [本] [古本] [コレクション] [画家] [作家] [装幀] [コメント(0)|トラックバック(0)]
最近のコメント