恩地孝四郎の仕事(1)巨匠二人が揃った新書本2012/04/23 11:29

装幀/恩地孝四郎(右は木村荘八のカバー)

昔、中央公論社が出していた新書判のシリーズ本。当時は新書とは名乗っていなかったが、本体の装幀は恩地先生のデザインで統一されていたから、教養書のシリーズ企画だったのだろう。

カバーのデザインに先生が関与していたのかは分からないが、カット絵は表紙、裏表紙を含め三点あり、木村荘八の筆である。

例の『恩地孝四郎装本の業』では、本体はグレー白抜き模様とあるが、単なるグレー地ではなく、写真のように黄味ががったグレーのようだが。表紙に使われた紙色の影響かも知れない。


† 東京・京都・大阪 よき日古き日


 吉井 勇/著    装幀/恩地孝四郎 カバーカット/木村荘八

 中央公論社●

 ●昭和29年11月25日発行●新書判 233頁 130円

こんな文庫・あんなカバー(13)ジョナサン・ラティマー『処刑6日前』2012/04/27 08:17

司 修/カバー

このカバーの装幀者は「司 修」氏。東京創元社の文庫カバーではこのほかにもいろいろ挿画を担当している。

その作風はそれはそれは多彩で、とても同一人物の作品とは思えないものも多い。

創元推理文庫における、彼の装幀のすべてを見たわけではないので、これが一番とは言わないが、ベストスリーには入れていいだろうし、私が好きな作品でもある。


† 処刑6日前 創元推理文庫 


 ジョナサン・ラティマー/著 井上一夫/訳●司 修/カバー

 創元推理文庫 1965年3月5日 初版 1973年12月14日 15版発行

 A6判(105×148ミリ) 320頁 180円