装幀に屈託あり(18)吉田謙吉の装幀 「小説 欧羅巴」2011/12/27 09:12

箱とカバー(右)吉田謙吉の装幀

絢爛豪華たる装幀である。いかにも火野葦平の本。西欧に題材も求めた小説集に相応しい出来映えである。

表紙、扉も十分な配慮がなされていて、恐らく吉田謙吉の最高のクラスの仕事であると思う。

ある装幀の本では「ken」というサインが一人立ちして、装幀者名にされていたが、この「ken」のサインのある装幀本はみんな吉田謙吉の仕事のはず。

これも装幀者名の記載のない本が多すぎることからの誤解である。


† 小説 欧羅巴


 火野葦平/著 吉田謙吉/装幀 カット絵/火野葦平

 北辰堂●昭和29年10月30日発行

 ●B6判・上製箱入りカバー付 301頁 300円


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