シムノンっぽく、あるいはメグレっぽく(2)メグレと若い女の死 ― 2011/08/21 19:23
若い身空で、なぜ、その小娘はパリの巷で死なねばならなかったのか。メグレは激しい憤りを禁じえません。
版木に向かう職人のごとき丹念な一彫り一彫りの捜査が続き、やがて、パリでの彼女の生活が刻み出されて、犯人にたどり着きます。
この被害者の生前の姿を、行動を目にすれば、誰しも涙、涙のはず。
メグレ物の一冊を選べと言われたら、私はこれを選びます。もうメグレ調独擅場の作品です?
†メグレと若い女の死 ポケミス(1188)
ジョルジュ・シムノン/著 北村良三/訳
昭和47年11月30日 初版発行
ポケット・ブック版(106×184ミリ) 173頁 300円
◎メグレ本の書誌についてはこちらへ/http://www.asahi-net.or.jp/~px5t-isi/
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