また、会えたフジタ美人! 『アダノの鐘』の表紙2017/11/16 00:17

藤田 嗣治/装幀

まだまだ、見たこともない本に、出会うことあるのだ。たまたま見つけたこの本、フジタの装幀研究の労作、林洋子先生の『藤田嗣治 本のしごと』に未掲載だった。この『アダノの鐘』は帯文によると、ピューリツァー受賞の大ベストセラー小説であったらしい。勿論この本が出版された頃、私はまだ字も読めない幼児であったから、そんなことは知る由もない。


† アダノの鐘


 ヂョン・ハーシー/著 杉木 喬 /訳  

 藤田 嗣治/装幀

 東西出版社●

 昭和24年5月25日発行●B5判 424頁 280円  


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フジタの装幀本、パニョル作『マリウス』2016/12/03 16:11

装幀/藤田嗣治

藤田嗣治のスケッチが表紙になっていた。パニョルのマルセーユ物の発端をなす戯曲であった。ドンピシャの組み合わせだが、何かフジタの絵に物足りなさを感じてしまうのは私ばかりではあるまい。

しかし、なかなか手に取って見たり、読んだりすることはないのは確か。まあ、出来は悪くても、一応スキャンしてみた。


† マリウス


 パニョル/著 永戸俊雄/訳  

 藤田 嗣治/装幀

 白水社●

 昭和13年5月26日発行●B6判 仏装 335頁 1円20銭  


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フジタ装幀「ノロ高地」には上製・箱入本があった。2016/08/27 21:20

装幀&扉絵/藤田嗣治

以前に紹介した戦記物のベストセラー「ノロ高地」の箱入に出会った。

廉価版と本体の絵は同じだが、箱のお陰で、本体は昨日印刷したような極美だった。しかし、ご覧のごとく箱絵の出来映えは本体を凌駕するものではなかったのは、ちょっと残念。フジタでもいつも、完璧であることは難しいのだろう。


† ノロ高地(ノモンハン戦車殲滅戦記)


草葉 榮/著   

装幀&扉絵/藤田嗣治●カット/従軍画家 江口眞一●鱒書房●

昭和16年6月10日(上製本・初版)発行●B5判 箱入り 331頁 2円50銭  


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『世界の花束』。久しぶりの藤田嗣治の本に出会った!2015/11/15 12:11

藤田嗣治/装幀 挿画

偶然ということはあるものだ。一年振りにまた、未見の藤田本に出会えた。表紙を飾る花束はともかく、本文に散りばめられた41点に及ぶカット数は凄い。 なにしろ二百頁に満たない薄っぺらな本だからだ。

それに同書は林洋子先生労作『藤田嗣治 本のしごと』では書名しか紹介していなかったし、数年前開催された『愛書都市パリ』展の年譜からも抜けていた本だ。幸運が向こうから転がりこんできた。感謝!


† 世界の花束


 柳澤 健/著 

 藤田嗣治/装幀 挿画

 コスモポリタン社●

 昭和23年7月10日初版発行●B6判 199頁 90円  


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藤田嗣治の戦争画と軍記本『ノロ高地』2015/02/24 00:50

藤田嗣治/装幀

友人に誘われて竹橋の美術館に行って、偶然フジタの戦争画を見た。その絵は横長で、広々とした草原が描かれていて、そのほぼ中心に戦車があり、数人の兵隊が取り付いている構図だった。

アッツ島の玉砕などを模した作品と違って、意外と明るい絵だったので、ちょっと意表を突かれた。確か戦車を描いたフジタの装幀本があったはずと、この本を捜し出した。

見ると灼けと汚れで状態は今一つ。で、明るく調子に修正したが、この装幀画も伸びやかな筆致でなかなか。さすがフジタと思った。が、美術館の無期限貸与作品には遠く及ばない。

あの竹橋に展示されていた「ハルハ河畔之図」を掲載している本もあるが、如何せん小さい。原画で見るに越したことはない。もう一度竹橋へ行きたい誘惑に駆られる。



† ノロ高地(ノモンハン戦車殲滅戦記)


 草葉 栄/著  

 藤田嗣治/装幀並び扉絵●江口眞一(従軍画家)/本文カット

 鱒書房●

 昭和16年2月20日初版/同年5月15日四百十版発行●B5判 331頁1円50銭

 


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