田村孝之介の絵に注目、藤澤桓夫の『淡雪日記』2016/09/03 11:08

田村孝之介/装幀&挿絵

 この本、カバーと本体が同じ絵だったので、褪色していない本体をスキャンした。七〇年以上も経っているのに、まるで昨日印刷したような色鮮やか。組版もゆったりとしていて、読み易い。短編集で、作品ごとの表題ページの裏に女性を描いた挿絵が入ったいて、これも楽しめた。

 藤澤桓夫の小説を初めて読んだ。掌編といった連作集で、男女の愛の機微を描いた上品な作品集だった。装幀に惹かれて、いい小説が読めた。


† 淡雪日記


 藤澤桓夫/著   

 田村孝之介/装幀&挿絵

 輝文館●

 昭和15年9月20日三版発行●四六判 カバー 330頁 1円50銭  


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桂 ゆきの『半七捕物帖』発見! 彼女は時代劇の装幀もやっていた!2016/09/19 16:51

桂 ユキ子/装幀

和装小物のイメージで、この絵を描いたのかな。先生にしてはおとなしい。

三年前の回顧展の図録を取り出してみたら、若い頃のスケッチブックに和服生地柄の習作があった。この表紙はその一つのバリエーションなのだたろうか。

まあ時代物の装幀も手掛けていたとは知らなかったから、一つの収穫である。


† 半七捕物帖・三巻


 岡本綺堂/著   

 桂 ユキ子/装幀

 同光社●

 昭和22年6月30日第一刷発行●B6判  193頁 38円  


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恩地孝四郎の本、宇野浩二の『枯木のある風景』2016/09/26 21:41

恩地 孝四郎/装幀

 古書展で自分好みの装幀の本を探しているうちに、だんだんと装幀家の先生方の癖というか、特徴が理解できるようになったのだろうか、背を見て展示棚から古書を取ると、瞬間、誰々の本かなと思いつくこと増えてきた。

 この本も手に取った時、装幀者が分かった。後で調べると、この出版社はこのこの『三島文庫』というシリーズ名で、いろいろ文芸作品を出していることが分かった。先生にしては、手すさびだろうが、小品集らしい味わいが実にいい。


† 枯木のある風景


 宇野 浩二/著   

 恩地 孝四郎/装幀

 三島書房●

 昭和21年11月20日発行●B6判 238頁 17円  


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