モダンアートの人 村井正誠の装幀『法学新書・死刑』2013/10/07 10:41

装幀/村井 正誠

村井正誠先生といえば。戦前からで日本の美術界を牽引してきた、モダンアートの長老である。

すでに亡くなられてから久しいが、こんな小品のお仕事もされていた。本の内容とは無関係な装画ではあるが、一つの作品宇宙を形成して揺るぎない。ほんの手遊びとしても素晴らし作品である。


† 法学新書(3)死刑


 正木 亮/著

 装幀/村井 正誠

 河出書房●法学新書

 ●昭和31年3月10日発行●105×175ミリ 255頁 120円


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恩地孝四郎の仕事(4)偶然?異装『柚子の種』?2013/10/12 09:19

装幀/恩地孝四郎

この本の箱は例の先生の「装本の技」には掲載されていなかったので、箱付の本が手に入って喜んだ。

 が、しかし、金箔押しの布表紙に、縦に四本、白いかがり糸があった。裏にも二本、両方とも、バランスよく配置されていて、一瞬、異装本かとも思ってしまった。

 なにしろ、当該本は著者の土岐善麿が知人に贈呈した署名本である。造本に瑕疵のある自著を贈るだろうか?とか、はたしてミスを承知の上、版元は著者にこの本を手渡したのだろうかとか、いろいろ謎は深まり、判断に戸惑う。

 困ったことだ。


† 柚子の種


 土岐 善麿

 装幀/恩地孝四郎

 大阪屋号書店●

 ●昭和4年11月7日発行●箱 四六判(125×185ミリ) 383頁 1円90銭    


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荻須高徳の装幀本(2)マルセル・パニョル『マリウス』2013/10/20 08:26

荻須高徳/装幀

雄鶏社のパニョルが手に入った。マルセーユ三部作の第一作である。ホルスト・ブッフホルツとレスリー・キャロンの主演で映画化された。その昔、私は新宿の今はなき京王名画座で観た。あの海の青さが強烈に印象を残した恋物語だった。

その原作の戦後版の表紙をOGUISSがやっていたとは知らなかった。戦前のフジタの装幀のほうがマルセーユぽい路地裏が描かれていて、またいいのだが、この版も港全景を描いていて、捨てがたい。


† マリウス


 マルセル・パニョル/著 永戸俊雄/訳

 荻須高徳/装幀

 雄鶏社●

 ●昭和23年4月5日発行●B6判 275頁 100円


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桂 ゆきの装幀本 昔、米国読書界を震撼させたベストセラー「女の兵舎」2013/10/31 14:51

装幀/桂 ユキ子

春に東京都現代美術館でやった桂ゆき展で、この装幀本を見たと思ったが、改めて図録を取り出して、捜してみたが、装幀本の頁に掲載はされていなかった???。

出版は昭和28年だから、年譜によると、前年、第六回アンデパンダン展へ出品した頃の作品。それにしては、大人しい絵だ。漫画チックなところが彼女流と言ったら僭越か。

訳書は神近市子、平林たい子、石垣綾子と錚々たる、かっての女傑陣が推薦人。時代を感じさせる顔ぶれに思わず感動を禁じ得ない(大袈裟か)。


† 女の兵舎


 テレスカ・トレース/著 大庭さち子/訳

 装幀/桂 ユキ子

 鱒 書房●

 ●昭和28年10月5日初版発行/11月10日第五版発行●B6判

 透明カバー帯 264頁 250円