こんな人が装幀を!(六)とぼけた味わい和田三造『快馬一鞭』2013/04/15 18:43

装幀/和田三造

明治、大正、昭和に渡って活躍した和田三造の装幀本である。伸びやかな筆致のうちに、少し惚けた味わいがあって巧い、実にいい仕事である。

しかし考えてみると、教科書にも作品が載っている大巨人の展覧会や回顧展はあまり覚えがない。図録なども流布していない。調べてみると、あの東京大空襲のため、その主要に作品は焼尽したとのこと、実に残念である。

たまたま、古書展でこの美しい本に出会い購入したが、これからも機会があれば、先生の装幀の本をいろいろ見てみたいものだ。


† 快馬一鞭


 南陽 坪野平太郎/著

 装幀/和田三造

 東京實業社●

 ●昭和10年10月12日発行●箱 四六判(127×187ミリ) 325頁 貳円


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