創元推理の表紙 粟津 潔の「ハンマーを持つ人狼」 ― 2012/12/01 11:52
装幀アットランダム(21)吉田貫三郎の「山峡の夜」 ― 2012/12/04 08:59
●パリの本(14)中村光夫の「戦争まで」 ― 2012/12/13 07:21
こんな人が装幀を|(一)「私のダダ」のカバーを河原 温が… ― 2012/12/18 09:25
戦後『浴室』シリーズなどの傑作を残して、メキシコに渡った河原温の装幀である。
日付絵画などで、今や観念芸術の分野では世界的に著名作家の若き日の仕事。後書きによると著者の江原順のたっての希望で実現したらしい。
かって「印刷絵画」を提唱したことがあるから、本の装幀にも何かしら考えがあったのだろう。“ダダ”という言葉で、この本を手に取ったのだが、お陰で先生の関わる珍しい本を買うことが出来た。
† 私のダダ 戦後芸術の座標
江原 順/著
カバー構成/河原 温
弘文堂●現代芸術論叢書(6)
●昭和34年9月30日発行●B6判(128×182ミリ)カバー 208頁 300円
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永田一脩の装幀(1)「永」のサインがあった『金が書く』 ― 2012/12/21 08:05
例によって装幀者の記述がない新潮社の本である。作家は戦前、プロレタリア文学で沢山翻訳が出たアプトン・シンクレア。
ただし、この表紙には「永」の字のサインがあった。プロレタリア文学の装幀者で、名前に「永」のつく人間を捜して、「永田一脩」に辿りついた。
なにしろ、この方、今ではあまり知られていない画家さんであるから、本もあまり残っていない。国会図書館まで行ってみた。
そこで彼が装幀したとされた著書を閲覧、そのうちの一冊の裏表紙に「永」の字に見つけることができたので、「永田一脩」と推定することした。
†金が書く
アプトン・シンクレーア(シンクレア)/著 富田正文/訳
装幀/不明(永田一脩とほぼ断定)
新潮社●
●昭和5年4月8日発行●カバー 四六判(130×190)ミリ 335頁 1円40銭
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