現代彫刻の巨人「流政之」の装幀本である。奥付からすると。石の造形を発表する前である。紙の上の仕事にも手を染めていたとは知らなかった。
テネシー・ウィリアムズのこの作品、新潮文庫本では知っていたが、初出の装幀が後の大作家の作品であったとは知らなかった。
後の石による造形のエスキスを思わせる表紙ではあるが、まあ、「流」サインがなければとても、先生の手になるものとは判断できないだろう。戦後翻訳文学の隆盛の賜物としたい。
† ストーン夫人のローマの春
テネシー・ウィリアムズ/著 田島 博&山下 修/共訳
流 政之/装幀
創元社●
●昭和28年9月25日発行●B6判・カバー 238頁 260円
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