こんなに楽しい本はない。著者は大昔ではあるが、NHKの名物番組の常連出演者だった渡辺紳一郎。
彼自らが語るように、文章によるパリ印象記でもあり、その名文に佐野繁次郎画伯のスケッチが六十点近くついた画集でもある。
今風に言うと、二人の逸材のコラボレーションといったところか。とくに画伯が描いた彼流のパリ描写は秀逸。戦後パリを再訪できた喜びで溢れている。
† 巴里風物誌
渡辺紳一郎/文●佐野繁次郎/本文・カット絵(表紙・装幀画)
東峰書房●昭和30年11月5日 初版発行
B6判(126×182ミリ)●226頁●280円
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