装幀に屈託あり(19) 伊東鋭太郎訳、シムノン 「リェーヂュの踊子」2011/12/31 09:47

三芳悌吉/装幀

三芳悌吉の装幀である。書き文字とスケッチ画で構成した先生の装幀は巷間余り取り上げられることはないが、私は好きである。

戦前の本の常か例によって、この本、装幀者の名がない。何とか特定できないものかと、仔細に眺めて「み」というサインを発見した。

同じシリーズの「モンパルナスの夜」は、「三芳悌吉」と最終頁に装幀者が明記されていて、その表紙絵にやはり「み」のサインがあった。

この「み」が決め手になって、目出度く特定できたわけである。

ちなみに三芳先生の「モンパルナスの夜」は表紙絵が良かったのであろう。フランスで出たあるシムノン研究書で、メグレ物の各国の翻訳本の日本語代表に選ばれていた。


† リェーヂュの踊子


 ジョルジュ・シメノン(シムノン)/著 伊東鋭太郎/訳 三芳悌吉/装幀

 春秋社●昭和12年5月20日発行

 ●四六判・193頁 60銭


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