装幀に屈託あり(16)装幀者不詳の 「モン・パリ変奏曲・カジノ」 ― 2011/12/20 10:37
戦前ではちょっと手の込んだ装幀の本でも装幀者の分からないことがやたらとあって、困る。まったく本の意匠の著作権など頭になかったということなのだろうか。
春陽堂のこのシリーズは表紙と同じカバー付で、見返しや扉、目次、各ベージのノンブルのデザインも趣向があって面白いのだが、いったい誰のアートディレクションなのか、分からないのだ。
写真やイラストも数点あるのだが、やはり誰のものか書いていない。原書からの無断盗用なども平気で横行していたのだろうか。春陽堂さん、どういうことですか。
†モン・パリ変奏曲・カジノ
フィリップ・スーポー、フランシス・ミオマンドル/著
石川 湧・丹 京一郎/訳 装幀/不明
春陽堂●世界大都会尖端ジャズ文学(4)
●昭和5年4月18日発行●四六判・326頁 1円50銭
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