こんな文庫・あんなカバー(8)川端康成『雪国』2011/11/08 11:26

木村荘八・装幀

河出文庫といっても、昔の河出書房の出した文庫。一時期、色刷りカバーをつけて、特装版として出版されていたものの一冊です。

カバーの作者は木村荘八、なんとも素晴らしい出来映えです。この文庫を手にとると、まるで自分が襟巻きを押さえながら、雪道を歩いている、そんな気分になり、思わず、むむと、唸ってしましました。

先生は戦前から活躍していた洋画家ですから、当然といえば、当然で、この何気ない仕事、光っています。かの永井荷風の『墨東綺譚』よりも、仕上がりは格段に上と思いますので、ご紹介します。


† 雪国 河出文庫特装版 


 川端康成/著 木村荘八/カバー

 河出書房 昭和30年1月10日 初版 発行

 A6判(105×148ミリ) 157頁 55円